Sam Huang – Henry Harrius Presentsによる『Crazy Sam’s Paradox Cube』(クレイジーサムズパラドックスキューブ)のレビューです。一言でいえば、観客の手の中で揃うキューブです。
Crazy Sam’s Paradox Cubeの評価

- 観客の手の中で揃う
- 技術的難易度がかなり低い
- 角度に強い(360°囲まれていても演技可)
- 動画解説は日本語字幕付き
- 付属の工具で操作性を調整できる
- 完全に自由に混ぜさせることはできない
- スイッチ無しに手渡し不可
- 解説されているキューブ解法が好きではない
Crazy Sam’s Paradox Cubeの内容物
- レギュラーキューブ
- ギミックキューブ
- ハンカチ
- 予備のステッカー
- 調整用工具
- 解説映像URLが記載されたカード

他のキューブを触ったことがないのでキューブの品質についての比較はできませんが、評判を聞く限りではこのHenry Harrius Presents製のRD Regular Cubeはマジック用のキューブとして最高峰らしいです。ちなみにRDはRubik’s Dreamの略です。さらにちなむとルービックキューブはメガハウスの登録商標なので、本来は立体パズルと呼ぶべきなのです。セロテープやウォシュレットみたいなもんで普通名称化した商標の一つですね。
Henry Harrius Presentsのキューブシリーズはすべて見た目が統一されているため、シリーズ内であれば互換性があります。 演技中にキューブをスイッチしても同じキューブを使い続けているように見せられるので、複数のキューブマジックを違和感なく組み合わせて演じられます。他社製のキューブではデザインやサイズが異なる場合がありますが、その心配がない点は大きな魅力です。
滑らかに動かせますし、付属の工具で操作性を調整することができます。ガチ競技用のスピードキューブと比べるともしかしたら物足りないと感じる人がいるのかもしれませんが、素人なのでわかりません。
現在のキューブマジックはHenry Harrius Presentsが牛耳っていると言っても過言ではなく、Henry Harrius Presents製品は勿論、IsolatedやCrystal Prison等の他社製品にもこのキューブを提供していることが多いので、キューブマジックやるならRD Regular Cubeに慣れるのは必須レベルかと思われます。
ギミックは想像していたものとは全く違うもので盲点でした。良い意味でうわーやられたって感じ。
付属のハンカチは約55cm角の薄手のコットンです。ハンカチは完全レギュラーなので、こだわりのある方はスタイルに合った好きなハンカチを使えます。ストリートで演じる場合は風でハンカチが飛ばないように押さえるか、ハンカチではなくバスタオルや箱、テーブル下等で隠したほうがいいかもしれません。
Crazy Sam’s Paradox Cubeの購入動機
実はキューブマジックって全く興味なかったのですよ。わかりやすいのはいいんですけど、起こせる現象がかなり限られるし、キューブを観客に見せた瞬間に「あー揃うんだろうな」って予想されてしまうので。
また、当時私が見た演者があまり上手くなかったのかもしれませんが、頑張って揃えたんだろうな感が強くてちっとも魔法のようには見えなかったというのもあります。なので、マジックというよりはダイススタッキングやジャグリング寄りのジャンルだという認識でした。凄いけど不思議ではないよねっていう。観客が混ぜたキューブが一致するやつも紙袋使ってて、あーはいはい◯◯◯使うやつねって印象で、面白みを感じなかったんですよね。
ただ、あのCrazy Sam’s HandcuffsのSam HuangがCrazy Sam’s Solveに続いてまたキューブ製品をリリースしたので、さすがにちょっと気になって動画を見てみたらめっちゃ不思議で、これはやりたいって思いました。
Henry Harrius PresentsのHP覗いたら、高いけどキューブシリーズ全部がめっちゃ良さそうで、全部買うかってなりました。まあさすがに一気に全部は買えないので、とりあえず比較的安価なCrazy Sam’s Paradox Cubeから購入しました 笑
Crazy Sam’s Paradox Cubeの良い点
- 観客の手の中で揃う
- 技術的難易度がかなり低い
- 角度に強い(360°囲まれていても演技可)
- 動画解説は日本語字幕付き
- 付属の工具で操作性を調整できる
観客の混ぜたキューブが揃うマジックは紙袋とアレを使うということが多いですが、これは本当に観客の手でキューブを回転させてもらいます。回転は回転でもキューブをただ持ち替えてもらうだけの某トリックとは違い、本当に混ざるように回転させてもらいます。キューブは常に観客の手の中にあるのですり替えの余地が一切ないように見える(実際すり替えません)のが一番の魅力だと思います。そして、演者はキューブには一切触れませんし、ハンカチも観客の手で外してもらうこともできます。
マジック初心者でも練習すれば十分演技可能な難易度です。基本手順は、演者がキューブを揃えた後に観客のキューブも揃うという流れですが、もし演者のキューブを揃えず、観客に揃えさせるだけなら完全にセルフワーキングで行えますし、揃える場合も必ずしもマジックとして見せる必要はないので、その場合もセルフワーキングで行えます。その部分もマジックとして見せたい場合は、そう見えるように技術的な部分の練習が必要ですが、RD INSTA (LITE) と組み合わせることでより簡単かつビジュアルに演じることもできます。
角度にめちゃくちゃ強くて、観客に揃えさせるだけならハンカチの下から覗き込まれない限りどんな角度でも演じられます。後は演者側のキューブの解法によって許容角度が変わる感じです。RD INSTA (LITE)と組み合わせる場合や演じ方によっては、若干角度制限が付きますが、状況に応じて変えればいいだけなので大した問題ではないでしょう。
いちいち翻訳しなくて済むのでこれも地味にありがたいです。ショップの独自特典ではなく、デフォルトで付いてるので、どこで購入しても大丈夫です。機械翻訳っぽいですが、十分理解できます。
『Crazy Sam’s Paradox Cube』に限ったものではありませんし、他社のキューブにも備わっている機能かもしれませんが、Henry Harrius Presents製のキューブは全て硬さを調整することができます。調整用の工具が付属するので、各面の真ん中のパネルを爪やマイナスドライバー等で外して、中のネジを反時計回りに回せば緩く、時計回りに回せば硬くなります。
調整用の工具が付属するのは『Crazy Sam’s Paradox Cube』くらいで、他製品には付属していないようですが、何故かというと『Crazy Sam’s Paradox Cube』を演じる上ではめちゃくちゃ大事だからです。購入された方は一通り解説動画を見た後、再度FINAL THOUGHTSは見直しておきましょう。
まあただのプラスドライバーですし、家にあるドライバーのほうが回しやすかったのですが。
Crazy Sam’s Paradox Cubeの悪い点
- 完全に自由に混ぜさせることはできない
- スイッチ無しに手渡し不可
- 解説されているキューブ解法が好きではない
観客には演者の指示通りに混ぜてもらう必要があります。とはいえ、この面のこの部分を回してくださいみたいな細かい指示ではないのでご安心を。
ただ、違和感を持たれないように一つ一つの台詞に気をつけて、余計なことは言わないようにしたほうがいいです。例えば、「あなたの意思で完全に自由に混ぜてもらいました」みたいな台詞は言わないほうがいいです。「いや、あんたの指示に従いましたけど」って思われるので。
直接的に台詞では言わずに、でも完全に自由に混ぜたと思わせるのが大事で、台詞回しがこのマジックで一番大事なところだと思います。
フレンチドロップ みやもとさんの演技動画がめちゃくちゃ参考になるので要チェックです。序盤にかなり細かい指示を出していますが、本来はここまで細かい指示を出す必要はありません。しかし、あえて最初に細かい指示を出すことで、違和感を持たれないように工夫されているのがわかると思います。
嘘か本当か定かではありませんが、ふじいあきら氏は「ギミックを手に取ってみたけど、解説見るまでレギュラーだと思ってた」と言っていたらしいです。
Q2:全ての道具を演技前後に調べてもらうことができますか?
A2:いいえ。 ギミックに関しては手渡すことはできますが、じっくりと調べてもらうことはできません。
しかし、キューブマジックを常に演じているふじいあきら氏でも「ギミックを手に取ってみたけど、解説見るまでレギュラーだと思ってた」と言うぐらい違和感が無いことに加え、演技後にギミックを自然にすり替える方法も解説されています。
引用元:マジックショップGIN
まあとはいえ、基本的に演技の前後にギミックキューブを手渡しして調べさせることはできないと思ったほうがいいです。
スイッチして調べさせることはできますが、そこまで強度のあるスイッチではないですし、それやると「もう1個も調べさせて」となりやすいので、そもそも調べさせなくていいと思います。観客が手に持って操作したわけですから、必要以上に調べさせなくてよいかと。
好みの問題ではありますが、解説されているキューブ解法があまり好きではありません。頑張って揃えた感が強いタイプの解法なので。
個人的にはやっぱりRD INSTA (LITE)を使うのがオススメです。スライハンドでやるなら、『VENOM CUBE』で解説されているGEAR SOLVEのほうがマジック的で好きです。『Crazy Sam’s Solve』で解説されているDROP SOLVE、BLUR SOLVE、LOCK SOLVEも見た目は好きなのですが、『Crazy Sam’s Paradox Cube』と組み合わせる場合はあまり向いていません。
Crazy Sam’s Paradox Cubeのギミックは自作可能?
レギュラーキューブとあるものを用意すれば自作可能です。例えば、VENOM CUBE COMPACT EDITIONと組み合わせたいと思ったら、COMPACT RD CUBEとあるものを用意すれば自作できます。
Henry Harrius Presentsのキューブプロダクトの中では比較的安価なのも納得できました 笑
Crazy Sam’s Paradox Cubeのレビューまとめ
そんなわけで、Crazy Sam’s Paradox Cubeのレビューでした。
かなり気に入りまして、即レパートリー入りしました。まだ全ての製品を購入したわけではありませんが、現象だけを見た場合、他のHenry Harrius Presentsのキューブシリーズの中でも一番好きです。
現象が強烈なのに簡単で比較的安価なので、キューブマジック初心者にも強くオススメできます。
