ニコラスローレンス(Nicholas Lawrence)による高品質・高耐久のフラップカード『Forever Flap』のレビューです。一言でいえば、プロマジシャンが現場でちゃんと使えるフラップカードです。
Forever Flap by Nicholas Lawrenceの内容物
- 特製ギミックカード×2種類(赤・青)
- オンライン解説動画
ギミックカードはハードなプラスチックケースに入っているので、配送によってカードが折れ曲がって届くというような心配もありません。保管もこのケースに入れれば問題ないでしょう。



カードはバイシクルの赤裏→青裏にチェンジできるものと青裏→赤裏にチェンジできるものの2枚が同梱されます。片面はラフ加工のようなものがされています。写真だと左のほうが繋ぎ目がわかりにくく見えますが、実物も似たような感じです。手作業で作られていると思うので、ある程度の個体差は仕方ないでしょうか?
ニコラスローレンスの公式ショップでは♥J→赤裏にチェンジできるものも発売されていたようですが、現在は売り切れとなっています。また、赤裏→青裏、青裏→赤裏も2枚セットではなく1枚での販売でした。いずれも1枚4,100円で販売されていたようですが、現在流通している2枚セットは約6,500円〜7,000円程度なので、1枚あたりの金額はお得になっています。
Forever Flap by Nicholas Lawrenceの購入動機
以前からフラップカード自体には興味がありましたが、実物を手にしたことはありませんでした。昔からあるような一般的なフラップカードの仕組みや自作方法は知っていましたが、とても作る気にはなれず、実用的なものが欲しいと思っていたのです。
ジョシュアジェイのPrism & Phantom Deckはお気に入りのトリックの一つで、単独で売られているPrism Plusではスライハンドのカラーチェンジの代わりにフラップカードでカラーチェンジを行います。フラップカードのおかげでカラーチェンジはかなりビジュアルに演じられるのですが、付属のトランプがバイシクルではないという理由から購入していません。しかし、ギミックを使わない元々のバージョンはUNREALで解説されているので、後はカラーチェンジ部分にバイシクルのフラップカードを使用すればバイシクル柄でPrism Plusを演じられるはずです。そういう狙いもあって購入しました。
Forever Flap by Nicholas Lawrenceの良い点
- 簡単かつビジュアルにカラーチェンジできる
- フラップカードが2枚付いてくる
フラップカードの魅力はこれに尽きるでしょう。スライハンドでもカラーチェンジ自体はいくつも手法があり、十分ビジュアルに見せられますが、角度に弱かったり、やたらと難しかったり、手が大きくないとそもそも実行できないようなものも少なくありません。しかし、これは練度関係なく、角度や手の大きさも手法によってはまったく気にせずに実行できます。
人によっては1枚でいいから安くしてくれと思うかもしれませんが、個人的に2枚付いてくるのは良いと思いました。このフラップカードはスプリングチェンジとグラビティチェンジの2種類を行うことができます。スプリングチェンジとはカードを折りたたむと自動でバネのように開く機構を利用したもので、グラビティチェンジとは勢いをつけて手動でデックをひっくり返すような動作をすることで開く機構を利用したものです。工作無しの単独で使用する場合は基本的にスプリングチェンジで、何かしらのカバーが必要ですが、裏面にラフ加工のようなものがされており、これによってギミックのロードやスチールが簡単に行えます。しかし、従来のフラップカードのようにノーカバーでデックを投げて変化させるようなことはできません。
従来のようなノーカバーでチェンジさせるためには、自分で不要なカード1枚を用意して、ギミックとその1枚をテープ等でくっつける必要があります。しかし、これをやると解説されていたようなハンドリングでギミックのロードやスチールができなくなりますし、元に戻そうと2枚を引き剥がすとラフ加工のようなものがおそらく剥がれてしまうため、完全には元に戻らなくなります。スプリングチェンジで行いたい場合は反発する向きに合わせてカードを取り付け、グラビティチェンジを行いたい場合は反発しない向きに合わせてカードを取り付けます。自分としては、工作無しの手法はカードが少しでもずれると不自然に見えてしまい、慎重な取り扱いが要求されるので、自分は不要なカードにくっつけて使う工作有りバージョンで使用する予定です。2枚あればスプリングチェンジ用、グラビティチェンジ用の2種類を作成できるので良いと思いました。勿論、ロードやスチールが簡単に行える単独版を持っておきたい場合やスプリングチェンジやグラビティチェンジの逆色版も用意したいならさらに購入する必要があります。
なお、PrismPlusに付属するフラップカードもニコラスローレンス製作によるもので、グラビティチェンジだけが行える機構のようです。つまりForever Flapはそれの正当進化版ともいえそうです。
Forever Flap by Nicholas Lawrenceの悪い点
- 個体差によるが継ぎ目はわりと見える
- 工作無しの1枚単独で使う場合のハンドリングはちょっと難しい
- 現在は赤→青、青→赤のチェンジしかできない
- 使い方がわからない人には向かない
継ぎ目はほとんど見えないということだったので、どれくらい見えないんだろうと思ってましたが、わりと見えます。内容物の紹介で写真を載せましたが、右のカードはリアルにこれくらい見えます。ただ、自分は他の製品のフラップカードをちゃんと所有したことがないので、それらと比べることはできません。おそらく他のどのフラップカードよりも見えにくくなっているとは思いますし、十分現場で使えるレベルのクオリティーなのは間違いないです。例えるなら、凄腕のコイン職人が作成したフリッパーコインだって、繋ぎ目は見えますよねって話。
簡単とは書いたものの、「ギミックが2枚付いてくる」の項目でも触れたようにカードが少しでもずれると不自然に見えてしまうので、1ミリもズレないようにかなり慎重な取り扱いが要求されるのですが、これは結構難しいです。代わりにギミックのロードやスチールが自然で簡単に行えます。逆に工作あり版は雑にカードを扱えますが、ギミックのロード・スチールの難易度は少し上がります。どちらを選ぶかは人それぞれですが、自分は扱いがラクなほうを選びます。
せっかくなら表→裏や裏→表のチェンジ版も同時に発売してほしかった。前述したように公式ショップでは♥J→赤バージョンも発売されていたようですが、現在は売り切れ状態。こっちのバージョンはペンギンマジックやVanishing Inc.等でも発売されていないようです。
質の高いフラップカードなのはわかったけどそれでどんなマジックがやれるの?って人には向かないです。すでにフラップカードを使用した手順を知っている方や、自分なりに使い方を考えて実行できる人でなければせっかくのギミックも活かしきれません。一応、基本演技のようなものは解説してくれるので、これをそのままやってもいいですけどね。
Forever Flap by Nicholas Lawrenceのギミックは自作可能?
はっきり言って難しいと思います。従来ものとは異なる機構をしていて、簡単に自作できるとは思えません。内部にどういう素材を使用しているのかもちょっとよくわからないです。バラして研究すれば見えてくるのかもしれませんが、自分はそこまでする気がないし、どうせハードなので自作する気も起きません。
Forever Flap by Nicholas Lawrenceのレビューまとめ
そんなわけで、Forever Flap by Nicholas Lawrenceのレビューでした。
使えるフラップカードが欲しい!バイシクルでPrismPlusやりたい!と思って購入しましたが、目的は達成できそうです。
次世代のフラップカードとして売り出されていますが、まあ良くも悪くも所詮はフラップカードなので、最新の見たこと無いようなマジックを演じたい人には向きません。当たり前にフラップカードとしての役割をちゃんと果たしてくれるだけのものです。それ以上でもそれ以下でもありません。
でも、修理やメンテ、繋ぎ目等の理由から現場であまり使われてこなかったフラップカードがここに来て使い手が増えるかもしれません。安定性が高く、確実な仕事をしてくれる道具が欲しいというプロ向けの商品だと思いました。
