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【料理家が伝授】家にある調味料だけでOK!子供が絶対おかわりする殿堂入り中華ベスト3

中華

[著者情報]

この記事を書いた人:坂本 由香里

料理家 / 2児の母

家庭料理と時短レシピ開発を専門とし、大手レシピサイトでの連載や著書『忙しいママのための平日15分ごはん』を持つ。自身のSNSでは、家庭にある食材と調味料だけで作れる再現性の高いレシピを発信。同じく子育てに奮闘する主婦目線の、等身大のアドバイスが多くの支持を集めている。


「今日の夕飯、何にしよう…」毎日の献立作り、本当にお疲れ様です。特に中華料理は、子供も大人も大好きですが、なんだか自宅で作るにはハードルが高いと感じていませんか?

ご安心ください。実は、麻婆豆腐や青椒肉絲といった人気の定番中華は、家にある醤油や味噌だけで、驚くほど美味しく作れるんです。

この記事では、料理家であり二児の母でもある私が厳選した、特別な調味料は一切不要の「殿堂入り中華ベスト3」をご紹介します。

この記事を読み終える頃には、レシピ選びに迷う時間がなくなり、「これなら私にも作れる!」という自信と、家族の笑顔が目に浮かんでいるはずですよ。

目次

「またこれ?」は卒業!献立のマンネリを打破する、おうち中華という選択肢

毎日ごはんを作るのって、本当に大変ですよね。私も子供の「えー、またこれ?」の一言に、何度心が折れそうになったことか…。レパートリーを増やしたいと思っても、新しい料理に挑戦して失敗するのは避けたい、というのが正直な気持ちだと思います。

料理教室やSNSで、「鶏むね肉がパサパサになります。どうしたらいいですか?」あるいは「野菜炒めがどうしても水っぽくなってしまうんです」といったご質問を本当によく受けます。そのお悩み、痛いほどよく分かります。

ですが、そういったよくある失敗のほとんどは、プロが使うような特別な食材や調味料ではなく、ごく基本的な調理のコツを知らないことだけが原因なんです。実はそれらの失敗は、すごく簡単なコツで解決できるんですよ。この記事では、その「魔法のコツ」から丁寧にお伝えしていきますね。

いつもの調味料が本格中華に!プロが実践するたった2つの黄金ルール

ここからは、ご家庭の中華料理を劇的に美味しくする、最も重要な2つの黄金ルールを解説します。この2点を押さえるだけで、いつもの食材と調味料が、まるでお店の味のように本格的な仕上がりになります。

黄金ルール1:肉は「片栗粉」で優しくコーティングする

中華料理で使う手頃な鶏むね肉や豚こま切れ肉が、なぜか硬くなってしまう。その最大の原因は、加熱によって肉の水分(旨み)が外に逃げてしまうからです。

この問題を解決するのが、調理前の「肉の下処理」です。具体的には、肉に下味をつけた後、少量の片栗粉を揉み込む、たったこれだけです。片栗粉が肉の表面に薄い膜を作り、加熱しても水分が閉じ込められるため、驚くほど柔らかくジューシーに仕上がります。適切な肉の下処理は、安価な鶏むね肉の品質を向上させ、柔らかいご馳走に変える最も効果的なテクニックと言えるでしょう。

黄金ルール2:調味料は「合わせ調味料」として先に混ぜておく

調理中に慌てて醤油、砂糖、お酒…と一つずつ加えていませんか?実はその方法だと、もたもたしている間に食材に火が通り過ぎてしまい、味がブレる原因にもなります。

そこで実践してほしいのが「合わせ調味料」です。調理を始める前に、使う調味料をすべて小さな器に混ぜておくだけ。調理前に調味料を混ぜておくという単純な工夫が、調理中の焦りや味のブレをなくし、結果的に時短と成功率の向上に繋がります。炒め物が佳境に入ったら、この合わせ調味料を一度に加えるだけなので、もう味付けで迷うことはありません。

【殿堂入りレシピ】今日から作れる!我が家の定番中華ベスト3

それでは、前述の2つの黄金ルールを活用した、具体的な殿堂入りレシピを3つご紹介します。どれも家庭で作りやすいようにアレンジした、自信作です。

📊 殿堂入り中華ベスト3 早見表

レシピ名調理時間(目安)辛さレベル(子供向け)使う主な野菜
甘旨コク!子供向け麻婆豆腐約20分★☆☆長ネギ、ニラ
お肉やわらか!鶏むね肉の青椒肉絲約15分☆☆☆ピーマン、パプリカ、たけのこ
ごはんが進む!豚バラ回鍋肉約15分☆☆☆キャベツ、ピーマン、長ネギ

1. 甘旨コク!子供向け麻婆豆腐

豆板醤の辛さを抑え、味噌と砂糖でコクと甘みをプラスした、小さなお子さんでも食べやすい麻婆豆腐です。

  • 材料(2〜3人分)
    • 豚ひき肉: 150g
    • 豆腐(木綿): 1丁 (400g)
    • 長ネギ: 1/2本
    • ニラ: 1/4束
    • ごま油: 大さじ1
    • 水溶き片栗粉: 片栗粉大さじ1+水大さじ2
  • 合わせ調味料
    • 味噌、醤油、酒: 各大さじ1.5
    • 砂糖: 大さじ1
    • 鶏がらスープの素: 小さじ1
    • おろし生姜、おろしにんにく: 各小さじ1
    • 水: 150ml
    • (大人向け)豆板醤: 小さじ1/2〜1
  • 作り方
    1. 豆腐はキッチンペーパーで水気を切り、2cm角に切る。長ネギとニラはみじん切りにする。
    2. フライパンにごま油を熱し、ひき肉を炒める。色が変わったら長ネギを加えてさっと炒める。
    3. 混ぜておいた「合わせ調味料」を加え、煮立ったら豆腐を加えて2〜3分煮る。
    4. 火を弱め、水溶き片栗粉を回し入れてとろみをつけ、最後にニラを加えて混ぜる。
  • ポイント
    • 麻婆豆腐の味の核となる豆板醤は、子供向けには量を減らすか、完全になくしても問題ありません。 その分、味噌と砂糖が味の土台となり、子供が喜ぶ甘くてコクのある味わいになります。

2. お肉やわらか!鶏むね肉の青椒肉絲

パサつきがちな鶏むね肉が、驚くほどしっとり柔らかく仕上がる、我が家の人気ナンバーワンレシピです。

  • 材料(2〜3人分)
    • 鶏むね肉: 1枚 (約250g)
    • ピーマン: 3個
    • パプリカ(赤): 1/2個
    • たけのこ(水煮): 80g
    • サラダ油: 大さじ2
  • 鶏むね肉の下処理
    • 酒: 大さじ1
    • 醤油: 小さじ1
    • 片栗粉: 大さじ1.5
  • 合わせ調味料
    • オイスターソース、醤油、酒: 各大さじ1
    • 砂糖: 小さじ1
    • 鶏がらスープの素: 小さじ1/2
  • 作り方
    1. 鶏むね肉は細切りにし、「鶏むね肉の下処理」の材料を順番に揉み込む。ピーマン、パプリカ、たけのこも細切りにする。
    2. フライパンにサラダ油大さじ1を熱し、鶏むね肉を炒める。色が変わったら一度取り出す。
    3. 同じフライパンに残りのサラダ油を足し、野菜を強火でさっと炒める。
    4. 肉をフライパンに戻し入れ、混ぜておいた「合わせ調味料」を加えて全体に絡める。
  • ポイント
    • 鶏むね肉に片栗粉を揉み込む「肉の下処理」が、このレシピの最大の成功ポイントです。このひと手間で、鶏むね肉の食感が劇的に変わります。

3. ごはんが進む!豚バラ回鍋肉

甘辛い味噌だれが食欲をそそる、ご飯との相性抜群の一品。野菜をシャキッと仕上げるのがコツです。

  • 材料(2〜3人分)
    • 豚バラ薄切り肉: 200g
    • キャベツ: 1/4個
    • ピーマン: 2個
    • 長ネギ: 1/2本
    • サラダ油: 大さじ1
  • 合わせ調味料
    • 味噌、砂糖、酒: 各大さじ1
    • 醤油: 小さじ2
    • おろしにんにく: 小さじ1
  • 作り方
    1. 豚バラ肉は5cm幅に、キャベツはざく切り、ピーマンは乱切り、長ネギは斜め切りにする。
    2. フライパンにサラダ油を熱し、豚バラ肉を炒める。焼き色がついたら一度取り出す。
    3. 同じフライパンで長ネギ、キャベツ、ピーマンの順に加えて強火で炒める。
    4. 野菜がしんなりする前に肉を戻し入れ、混ぜておいた「合わせ調味料」を加えて手早く絡める。
  • ポイント
    • 回鍋肉の美味しさは、ピーマンやキャベツのシャキシャキした食感にあります。野菜は炒めすぎると水分が出てしまうため、強火で短時間で仕上げるのが重要です。

料理家が答える!おうち中華の「あと一歩」Q&A

最後に、レシピだけではカバーしきれない、皆さんが抱きがちな細かな疑問にお答えしますね。

野菜をシャキッと炒める、もっと具体的なコツはありますか?

フライパンをしっかりと熱してから油を入れ、一度にたくさんの野菜を入れすぎないことです。フライパンの温度が下がると、野菜から水分が出やすくなります。2人分以上を一度に作る場合は、2回に分けて炒めるのがおすすめです。

オイスターソースだけは買ったほうがいいですか?

もし中華料理をこれから色々作りたいのであれば、1本あると格段に味が本格的になります。もし無い場合は、醤油と砂糖を少し多めに加えることで代用できますが、独特のコクと風味はオイスターソースならではの魅力です。

残った春巻きの皮や餃子の皮、どうしていますか?

私は細切りにして揚げて、サラダのトッピングにしたり、チーズを乗せてミニピザのようにして子供のおやつにしたりします。無駄なく使い切れると嬉しいですよね。


まとめ:今日からあなたも「おうち中華」の達人!

いかがでしたか? 「肉の下処理」と「合わせ調味料」というたった2つの黄金ルールさえ守れば、おうち中華は決して難しくありません。むしろ、短時間で調理できて、一皿で肉も野菜も摂れる、忙しいあなたの強い味方になってくれるはずです。

今日ご紹介した3つの殿堂入りレシピが、あなたの家の新しい定番になり、家族の「おいしい!」という声を聞くきっかけになることを心から願っています。

まずは、一番調理時間が短く、失敗の少ない「お肉やわらか!鶏むね肉の青椒肉絲」から、今週末に試してみませんか?きっと、家族の笑顔が食卓にあふれるはずですよ。


[参考文献リスト]

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