MENU

もらった晩白柚で失敗しない!プロが教える食べ方・剥き方完全ガイド

晩白柚

著者情報

梶原 麻美 (Asami Kajiwara)

旬の食材コンシェルジュ / 料理家

全国の農家を巡り、旬の食材の魅力を伝えるウェブメディア「旬だより」を運営。初心者向けの「もったいないを無くす」をテーマにした料理教室が人気。「旬の恵みを余すことなくいただく」をモットーに、食材と向き合う楽しさを発信している。


こんにちは、旬の食材コンシェルジュの梶原です。立派な晩白柚、お家に届いたのですね!甘く爽やかな香りがして、嬉しいけれど「さて、どうしよう…」と少し途方に暮れていませんか?大丈夫ですよ。見た目は大きいですが、コツさえ掴めば驚くほど簡単に、そして余すところなく楽しめます。さあ、一緒にこの美味しい冒険を始めましょう!

立派な木箱に入った、巨大で良い香りの「晩白柚」。嬉しい頂き物のはずが、キッチンで途方に暮れていませんか?

ご安心ください。実は、たった3つのコツで、誰でも失敗せずに、驚くほど綺麗に剥いて美味しく食べられます。

この記事では、果実の食べ方から、捨ててしまいがちな厚い皮を絶品おやつに変える方法まで、晩白柚を“丸ごと”楽しみ尽くすための全てを、写真付きで徹底解説します。

読み終える頃には、あなたの戸惑いは自信に変わり、家族からの「美味しい!」と、贈り主への心からの感謝が待っています。

目次

「嬉しいけど、どうしよう…」晩白柚を前に固まってしまう、あなたへ

まず、その気持ち、とてもよく分かります。「どこから包丁を入れていいか分からないんです」。これは私の料理教室でも一番よく受ける質問です。立派な頂き物だからこそ、失敗して台無しにしたくない、という贈ってくれた人への想いがありますよね。

キッチンでオブジェのように鎮座する晩白柚を前に、ただただ眺めてしまう…。そんな経験、誰にでもあるはずです。

でも、少しだけ晩白柚の正体を知ると、ぐっと親しみが湧いてきますよ。晩白柚は、実は文旦(ぶんたん)の一種で、その大きさや味、香りの良さから「柑橘の王様」とも呼ばれているんです。これから、その王様を、家庭で一番美味しくいただくための方法を、一つひとつ丁寧にお伝えしますね。

【写真で完全解説】感動するほど簡単!失敗しない晩白柚の剥き方 3ステップ

それでは、早速晩白柚と向き合ってみましょう。美味しい食べ方の第一歩は、正しい剥き方から始まります。この3ステップさえ覚えれば、もう迷うことはありません。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: みかんのように手で剥こうとせず、最初に包丁で「頭」と「お尻」を切り落としてください。

なぜなら、多くの方が分厚い皮を前にして、どこから手をつけていいか分からず力任せに剥こうとして心が折れてしまうからです。晩白柚の上下を切り落とすことで、皮に切り込みを入れるためのガイドラインができ、驚くほどスムーズに作業が進みます。この知見が、あなたの成功の助けになれば幸いです。

ステップ1:ヘタとお尻を切り落とす

まず、晩白柚のヘタ側(頭)と、その反対側(お尻)を、包丁で水平に切り落とします。中の果実が見えるくらいまで、思い切って切り落とすのがポイントです。

ステップ2:縦に切り込みを入れる

切り落とした断面をまな板に置き、晩白柚を安定させます。そして、上から下に向かって、皮の厚みの分だけ、縦に8〜10本ほどの切り込みを入れます。スイカの模様をイメージすると分かりやすいかもしれません。

ステップ3:皮を剥がす

入れた切り込みに指をかけ、一枚ずつ皮を剥がしていきます。ステップ1と2が正しくできていれば、驚くほど簡単に、バナナの皮を剥くように剥がれていきます。

果肉を味わい尽くす!おすすめの食べ方と正しい保存方法

見事に黄色い鎧を脱がせたら、いよいよ果実とのご対面です。薄皮に包まれた果肉を、最高に美味しくいただくための方法をご紹介します。

  • まずはそのまま味わう 薄皮(じょうのう膜)を丁寧に剥いて、果肉(さじょう)を取り出します。プリプリとした食感と、上品な甘み、そして爽やかな香りをお楽しみください。酸味は少なく、とても食べやすいのが特徴です。
  • サラダやマリネのアクセントに ほぐした果肉を、ベビーリーフや生ハム、カッテージチーズなどと合わせると、彩りも美しい豪華なサラダになります。オリーブオイルと塩、こしょうだけのシンプルなドレッシングが、晩白柚の風味を引き立てます。
  • カット後の保存方法 食べきれなかった果実は、薄皮を剥いた状態でタッパーなどの密閉容器に入れ、冷蔵庫で保存してください。2〜3日を目安に食べきるのがおすすめです。果実保存方法として、冷凍する場合は、果肉をほぐしてラップで小分けに包み、冷凍用保存袋に入れて保存します。

【もったいないを無くす】捨てないで!厚い皮で作る絶品ザボン漬け入門

さて、果実を堪能した後に残る、あの分厚い。これを捨ててしまうのは、本当にもったいないことです。

✍️ 専門家の経験からの一言アドバイス

【結論】: 晩白柚の皮は、生ゴミではなく「宝物」です。ぜひお菓子作りに挑戦してみてください。

なぜなら、私も昔はあの分厚い皮を捨てていましたが、一度農家の方に教わったザボン漬け(ピール)を作って、その美味しさに感動しました。爽やかな香りとほろ苦さが凝縮された皮は、果実とはまた違う、晩白柚の真の主役とも言える存在です。

ここでは、初心者でも失敗しない、簡単なザボン漬けのレシピをご紹介します。

【材料】

  • 晩白柚の皮(白いワタの部分)… 1個分
  • グラニュー糖 … 皮の重さの60%〜70%
  • 水 … 適量

【作り方】

  1. 剥いた皮を洗い、たっぷりの水に一晩つけて苦味を抜きます。途中、2〜3回水を替えるとより丁寧です。
  2. 鍋に皮と、かぶるくらいの水を入れて火にかけ、沸騰したら10分ほど茹でこぼします。これを2回繰り返すことで、さらに苦味が和らぎます。
  3. 茹で上がった皮をザルにあげ、粗熱が取れたら5mm〜1cm幅の好きな形にカットします。
  4. 鍋にカットした皮とグラニュー糖、ひたひたになるくらいの水を入れ、弱火で煮詰めます。
  5. 水分が少なくなり、皮が透き通ってきたら火を止めます。
  6. クッキングシートなどの上に広げて半日〜1日ほど乾燥させ、お好みでグラニュー糖をまぶしたら完成です。

調理前の保存方法は、ラップに包んで冷蔵庫で2〜3日、冷凍すれば1ヶ月ほど保存可能です。

これで完璧!晩白柚のよくある質問(FAQ)

晩白柚の旬はいつですか?

主な収穫時期は12月から1月にかけてですが、収穫後に追熟させることで酸味が抜け、甘みが増します。食べ頃の旬は、1月下旬から3月頃までです。

美味しい晩白柚の見分け方はありますか?

形が整っていて、皮にハリとツヤがあるものを選びましょう。手に持った時に、ずっしりと重みを感じるものが、果汁をたっぷり含んでいる証拠です。

名前が似ている文旦(ぶんたん)とは違うのですか?

晩白柚は文旦の一種で、特に大きくて品質の良いものを指します。いわば、文旦ファミリーの「王様」のような存在だと考えてください。

まとめ

いかがでしたか? 晩白柚は、「3ステップで剥き」「果実を味わい」、そして「皮でおやつを作る」ことで、その魅力のすべてを丸ごと楽しめる、最高の贈り物です。

もう、あなたはキッチンで晩白柚を前にして、迷うことはありません。この記事で得た知識は、あなたの自信になります。自信を持って、その素晴らしい香りと美味しさを、家族みんなに届けてあげてください。

さあ、まずはキッチンに立って、晩白柚のヘタとお尻に包丁を入れてみましょう!その一歩が、美味しい冒険の始まりです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次